よし、復職しよう!!

体験記、回想録、その他@復職活動

復職を目指す鬱男の回想録 第3回「プレハブ」

オリーブオイルを適当に垂らしたプレーンヨーグルトとバナナで朝食を済ませた。
スーツに着替えて最寄りの駅へ向かう。
到着した電車を見て、ため息。
超満員の車内。
否が応でも見知らぬ誰かに押し潰され、誰かを押し潰す。
雨の日なら濡れた傘が……と思うと、気が滅入りそうになる。
2駅の受難。
故郷のD県では自動車通勤だったので、電車通勤そのものにすら慣れていない。

 

真冬だというのに暑苦しい電車を降りた。
改札を抜けると200か300か、あるいはそれ以上の行列が同じ向きに歩いていく。
これは、新しい赴任先である自動車メーカーに向う群れ。
前日に通勤経路を確認していたので、すぐに分かった。
会社の玄関周辺では別ルートからの列も加わるため、付近の歩道はここの従業員で埋め尽くされている。

 

出勤初日、初めて会う同僚と待ち合わせ。
お互いに顔は知らない。
玄関にいる人待ち顔の男性を見つけ、声を掛けた。
「○○さんですか?」
「はい」
「初めまして、るしふぇりんです。よろしくお願いします」
(もちろん、実際には「るしふぇりん」とは言っていない。)
「ここ、すぐに分かりました?」
「はい、昨日確認しておいたんで」
自動車メーカーでの業務についてから既に2年が経つこの同僚は、そこでの業務を知り尽くしているのだと、新しい上司から聞いていた。
なので、後輩として業務内容の教えを請うことになる。
人懐っこそうな笑顔が印象的だった。

 

玄関を通って幾つもの角を曲がり、工場が立ち並ぶ長い直線道路を通り抜けると、巨大な街が姿を現した。
見渡す限り、大小のビルやコンビニエンスストアが建ち並ぶ。
交差点には信号待ちの大群。
バス停には1台のバスには乗り切れないほどの人達がたむろしている。
職場環境としては初めて見る規模に、こんなところで働くのか……、と感慨に耽った。

 

しばらくして立ち止まった目の前の空間は、とても異質だった。
都会的な眺めの中でその区画だけ土がむき出しで、小石が散らばっている。
そこにぽつんと建つプレハブ小屋。
ビル建設が始まる前の工事現場のような佇まいだ。
さて、ここは一体何だろう?
「ここです」と、同僚が笑顔で指差した。
「え、本当ですか?」
「本当です」
「………」
「エアコンがあるので大丈夫ですよ」
だだっ広いオフィスを想像していた頭が、「暑さ寒さなんかどうでもいいよ」と答える。
もはや罰ゲーム……
そこは一時的な仕事場であり、いずれは何れかのビルに移る予定なのだそうだ。
「いずれ」がいつ頃なのかはまったくの未定。

 

5m四方の空間に入ると、プレハブ特有の閉塞感。
歩く音がうるさい床。
キャビネット付きの机が2台、印刷機能付きのホワイトボードが1台、2台のノートパソコンとそれを保管するための鍵付き書庫が1つ、プリンターが1台。
あと掃除機が1台。いまどき紙パック式とは……。
これらが置いてあるものの全部。
窓の外には憧れのオフィスビル群。
気になるトイレは……、良かった、仮設ではない。
近くのビルのトイレを利用してよいそうだ。

 

昼食は敷地内のコンビニエンスストア、もしくは昼になるとやって来る弁当屋の二者択一。
社員食堂はいくつもあるが、何れもプレハブ小屋から遠いし、着いた頃には長い行列ができている。
食べて戻ってきたときには、午後の始業時刻をとっくに過ぎているということになり兼ねない。
初日はすっかり冷め切った弁当を食べた。

 

…続く

復職を目指す鬱男のリワーク体験記 第4回「基礎評価」

みなさん、ご機嫌いかがですか? うつ病療養中のるしふぇりんです。
今回は、「事前相談」の次の段階である「基礎評価」に行ってきました。
と言っても、
「前回までは事前相談でしたが、今日からは基礎評価ですよ」
と担当カウンセラーが言ったわけではありません。
話の内容から、
「解決する課題を洗い出しているんだな。だから『基礎評価だ!』」
と私が勝手に思っているわけです。
(リワーク支援の大まかな流れについては、体験記の第1回をご覧ください。)


 

目次

検査結果

事前相談で受けた適正検査、エゴグラム、POMSの結果を教えてもらいました。
適正検査の内容については体験記の第2回で軽く触れたので、結果だけ載せておきます。

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形態(実物あるいは図解されたものを細部まで正しく知覚する能力。図形を見比べて、その形や陰影、線の太さや長さなどの細かい差異を弁別する能力)と共応(眼と手または指を調和させて、迅速かつ正確に作業を遂行する能力。眼で見ながら、手の迅速な運動を正しくコントロールする能力)は、予想通りの低さでしたね。

(指先と手腕の検査は実施していません。)

 

この結果によると、「動物管理、水産養殖、園芸」、「航空機、船舶の操縦」、「工学、技術の開発応用」、「教育関係」、「著述、編集、報道」、「販売、サービス」、「警備、巡視」、「事務関係」に適性があるようです。

反対に、「運搬、加工、組立」、「保守、管理」、「学術研究、医療、法務」などにはあまり向いていないようです。

 

次に、エゴグラム
これは心を5つの自我状態に分類し、グラフ化することで被験者の性格のクセを捉える検査です。
詳細については、

commutest.com

を参照してみてください。
お試し検査と結果のグラフ化ができます。
興味のある方は、結果のグラフを診断結果一覧|心理テスト性格無料診断に照らし合わせてみてください。

ご自分のタイプを知ることができます。

また、こちらのサイトは診断結果の見方が簡潔にまとめてあって、見やすいと思います。

 

私のエゴグラムは、低CP、NPゼロ、中A、FCゼロ、最大ACのW型でした。

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(青色の線は、私が書き足したものです。)

 

診断結果をまとめると、次のようになります。

・おっとりしていて融通がきくが、何を考えているのか分からず、義務感・責任感に欠けている。

・感情的にならず、冷たく自分勝手に見え、相手に共感・同情することがない。

・妥協性があり慎重派であるが、ときに意欲がなく暗い印象を与えてしまう。恨みっぽく、おどおどしている。

・バランス感覚にたけているが、自主性に乏しく依存心が強い。

 

POMS(Profile Of Mood State)は「気分プロフィール検査」と呼ばれるものです。
被験者の置かれた条件によって変化する一時的な気分や感情の状態を、次の6つの気分尺度で評価します。
「緊張、不安」、「抑うつ、落込み」

「怒り、敵意」、「活気」

「疲労」、「混乱」
もう少し詳く知りたい方は、こちらを読んでみてください。

www.chibatc.co.jp

 

うつ病などの精神的な病を患った人だけでなく、スポーツ選手の疲労度チェックやコンディションづくりにも活用されているようです。

 

結果は次の通り。

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「緊張、不安」は粗点19(最大34)、T得点61(25~85、以下、同じ)。
抑うつ、落込み」は粗点44(最大44)、T得点85で、自信喪失度MAX!。
「怒り、敵意」は粗点11(最大40)、T得点50。
私をうつ病に追い込んだヤツへの怒りならば、もっと大きくてもいいかな?と思うんですが……。
「活気」は粗点1(最大32)、T得点28。
「疲労」は粗点20(最大28)、T得点67。
「混乱」は粗点16(最大25)、T得点66。

因みに、「粗点」とは各項目の点数で、「T得点」とはその偏差値くらいの意味です。

 

この検査結果は一時的なものなので、変化していくはずです。

リワーク支援の中で、この検査は今後も実施されるようです。

 

宿題提出

前回の事前相談のときに借りた「大人のADHD」と「アスペルガー症候群」の本を読み、私自身に当てはまる特徴とそれを示すエピソードをA4用紙6枚にまとめました。

以下は、その内容です。(一部省略)

尚、予めこちらに目を通して頂くと、私の書いた内容の意味することが分かりやすいと思います。

www.autism.jp

 

・とっさのごまかしができない。不要なことまで正直に話してしまう。
「△月▽日の月曜は○○(私の名前)さんも振り替えで休みですよね?」と尋ねられて、「そうです」と答えればよいのに、「今、うつ病で休職中なんです」と回答してしまった。

・上司から論理的思考が足りないと言った指摘をされても、それは上司の評価の仕方がおかしいと考えてしまう。
・「最近どう?」と尋ねられて、「何が?」と考え込んですぐに回答できなかったり、具体的に何を尋ねたいのか確認したりすることがある。

(オープン・クエスチョンが苦手。)

・会話中に話がとぶ。

・相手の話を額面通りにしか受け取ることができない。言外の意味を汲み取れない。

・飲み会の席などで話が続かない。
話すくらいなら、むしろ隣同士に座っていても黙っていたほうが気持ちが楽。
周りの人が皆席を離れて行った結果独りになっても、特に気にならない。

・一旦気持ちが固まってしまうとそれに固執し、他人の助言を受け入れなくなる。
仕事中、作業の方法に関するもっと効率的な方法が分かっても、元々の方法を続けてしまう。
上司によると、実際に職場で同僚から「頑固で、自分のやり方を変えようとしない」と言われているらしい。

・期待しない音を聞くと、気分を害する。
家族が風邪をひいたとき、その病気を心配するよりも、むしろ咳の音に嫌悪感を持つ。

・学生時代のテスト中、答えを書くときに鉛筆の芯を用紙(机)に叩きつける音が周囲から聞こえてきて、それがとても気になり集中できなかった。

・他人のパソコンのキーボードを強く叩く音がとても気になり、作業に集中できない。

・指の関節を鳴らす音を聞くと、気分が悪くなる。

・周辺視野で動いているものがとても気になる。
動いているものが視界に入ると気を取られてしまい、作業が中断する。

・手のべとつきが気になるため、頻繁に手を洗う。

・特に仕事において予定外のことが起こると、混乱することがよくある。
同時に複数の問題が発生すると、どういう順番で手を付ければ良いのか分からず、パニックに陥る。

・社交辞令が苦手。言うのも、言われるのも。

・人の感情を読むのが苦手。
誰かが怒っていたことを他の人がみんな感じ取っていても、私にはまったく気づかないことが何度もあった。

・話が長くなったり多少なりとも複雑だったりすると、その話が頭に入って来ない。
最初は理解していた部分が、すべて頭から消えていく。

メモを取っても、後から見直したときに内容が良く分からない程度にしか書けていない。

・フラッシュバックがよく起こる。(2~3回/月かそれ以上)

フラッシュバックとは、「過去の体験を連想させる」ような、「過去の体験を感覚させる」ような、何かのきっかけに接した時、あるいは、何かそうした刺戟を受けた時に、(これをトリガー「引きがね」と呼びます)「あのとき」と同じ感情や感覚が、不意に甦ってきて、それによって、さまざまな反応を引き起す状態を云います。
(中略)
フラッシュバックでは、このように、「あのとき」の情景や記憶も、共に甦ってくるケースもあります。

 

この内容について話をした後、担当カウンセラーに相談しました。

発達障害の検査を受けようと思っているのですが。」

「では、次の診察日に主治医の先生に相談してみましょう。私もご一緒します。」

 

終りに

リワークの本支援がゴールデンウイーク開けからになりそうです。

最初のうちは2日/週のペースで慣らし運転。

通所しない日はこれまで通り図書館通いして欲しいと、担当カウンセラーに言われました。

毎日のように朝から夕方まで図書館に居座っている私は、職員の目にどう映っているんでしょうか?

 

次回は、 主治医とのやり取りも交えてお伝えしようと思います。

 

それでは、みなさま、ごきげんよう

復職を目指す鬱男の回想録 第2回「想像左遷」

P県への転勤。1人暮らしの始まり。
単身赴任そのものは初めてではない。
心の底から嫌だと思う単身赴任が初めてだ。
なぜ心の底から嫌かと言うと、上司Aに厄介払いされたと思い込んでいるからだ。
(この点については、回想録の第1回で触れています。)

fukushoku.hateblo.jp

 

もちろん上司Aはそんなことは言ってないし、厄介払いを示す証拠もない。
単なる思い過ごしかもしれない「左遷」に悶々としながら、P県での生活を開始した。
しかし、置かれた状況を前向きにも捉えた。
それまで経験したことのない自動車開発に携われるのだ。
地元のD県では得られない技術を習得できるはずだ。

 

引っ越し先は築20年、3階建て各階4部屋のアパート。1K。南向き。
陽当たりは良好だが、入居したのは1月。
引っ越し荷物が届く前の板張りの部屋には、手荷物のみ。
殺風景な空間が寒さを際立たせる。
たまらずエアコンをつけた。
案の定、かび臭い。
胞子が部屋の隅々まで飛び散っていく。
外観と同様、中も汚れきっているのだろう。
のどが痛み出したので、電源を切った。
わざわざ掃除するのも面倒だ。
コンセントを抜き、エアコン前面をラップで覆い尽くして、その内部と部屋とを完全に遮断した。
さて、暖房器具を買うか?
しかし、次の引っ越しの荷物が増えてしまうし、処分するにも費用が掛かる。
その冬は暖房なしで過ごすと決めた。
ちょっとした試練だ。

 

部屋には木製のラックが置いてある。
実に安っぽい3段式のものだ。
その棚に平べったい機器が載せられている。
アパートの管理会社に尋ねると、有線放送のチューナーとのこと。
そうか、有線が聞けるのか。
早速コンセントを差し込み、電源を入れ、ボリュームのつまみを回した。
しかし、うんともすんとも言わない。
スピーカーは天井埋め込み式のものがあるのだが……。
チューナー背面のコードが壁をつたってベランダ側に通じている。
窓を開けて給湯器の上を見るとコードは同心円状に束ねられ、その先端には丁寧にビニールテープが巻かれていた。
これ聞けるようにしてくれませんか?と言おうかと一瞬思ったが、思いとどまった。
他人が部屋に入ってくるのが嫌いだからだ。
もともと有るとは知らなかった有線。
聞けなくてもどうってことはない。

 

ガス会社が給湯器の元栓を開けにくるまでには時間があったので、トイレットペーパーと雑巾を買いに出かけた。
どの方向に何の店があるのか分からぬまま県道沿いに歩いていると、30分程してこぢんまりしたホームセンターが見つかった。
買い物を済ませて昼食のうどんを食べてから帰宅し2時間が経過したころ、ガス会社の人が訪ねてきた。
彼は玄関で靴を脱ぎ、給湯器の元栓を開け、お湯が出ることを確認してから玄関に戻り、帰っていった。
一部始終を監視されているとも知らずに。
足跡。
こげ茶色の床に汗で湿った靴下の白い輪郭線が、追跡してくれと言わんばかりに描かれていく。
そして、開栓作業中の両足は雨ざらしのベランダを踏みしめ、床に新たな足跡を残していった。
でも、これは想定内。
部屋に他人を入れるからには、覚悟しておくべきこと。
部屋を最も汚すのは、もちろん、その部屋の住人だが、例え微量であっても得体の知れないゴミや汚れが侵入するのは恐怖だ。
(ガス会社の人は自分の役目を果たしただけであり、彼を責める意図はまったくない。)
だからこそ、掃除には手を付けていなかった。
すぐさま部屋全体の掃除に取り掛かる。
さすがに入居当日の部屋だけあって、収納スペース、流し台、浴室、トイレ、洗濯機のパンどこをとっても、ゴミやホコリが一切ない。
それでも、床は特に念入りに吹き上げた。
これで荷物の受け入れ準備は万端だ。

 

20時、暗くなってから引っ越し業者が到着した。
2人組の作業員が絶え間なく段ボール箱を部屋に運びこんでいく。
ちゃぶ台とハンガーラックと20個ほどの箱が部屋に並び、搬入作業は終了。
荷ほどきを始めたいところだが、気になることが……。
2人分の足跡だ。
でも、汗の描いた足跡なんてすぐに消えてしまうもの。
見えないし、面倒くさいし、もういいや……、という気持ちを抑えて再び雑巾を絞った。
玄関から部屋の入口周辺までを拭いて、やっと荷ほどきに取り掛かれる。
まもなく21時。
折り畳んだ段ボールをビニール紐で縛ったときには部屋はもう狭くなっており、布団の敷き方を考えながら、ちゃぶ台の位置を微調整。
やっと一段落。

 

熱いシャワーの甲斐なく、
「あ~、さぶい~」
と独り言を言いながら、冷たい布団の中に。
正月休みでまだ帰省中だからだろうか、両隣には誰もいないようだ。
近くには大きな道路が無く、たまにアパートの前を通るバイクの音を除けば聞こえてくるものはない。

 

……
……
自分は何故、ここにいるのだろう?
やはり、嫌われたからか?
もっとうまく仕事ができていれば、地元を離れずに済んだのだろうか?
どうすれば戻れる?

 

明日は生活必需品の買い出しだ。

 

…続く

復職を目指す鬱男のリワーク体験記 第3回「事前相談2」

みなさん、ご機嫌いかがですか? うつ病療養中のるしふぇりんです。
前回に引き続き、事前相談に行ってきました。


 

目次 

主治医の助言

掛かりつけ病院の前で担当カウンセラーと待ち合わせをしました。

復職について主治医から助言をもらうことになっています。

「午前中は人が多いんですが、午後の診察開始頃にはいつも誰もいませんから」という理由で、午後診療の開始に合わせて行きました。

ところが、まさかの2組待ち。

担当カウンセラーには申し訳ないと思いつつ、30分待つことに。

 

名前が呼ばれ、2人で診療室へ。

 「この人はどなた?」とでも言いたそうな雰囲気の主治医の先生。

「今日はどうしました?」

リワークの担当カウンセラーと一緒に伺うことは予め病院の受付の方に伝えておいたんですが、先生には伝わっていなかったみたいです。 

 「これからリワークを行なっていく上でのご助言を頂きたく、障害者職業センターから参りました。」

担当カウンセラーが名刺を差し出しながら、私の代わりに答えます。

その後30分に渡り、本支援を進めていく上での注意点を伺い、また前回の事前相談で担当カウンセラーに告白していた私の弱点について、ひとつひとつその克服方法をご提案頂きました。

私の弱点とは、例えば、

・相手の質問に対してどういう言葉が適切か悩んでしまい、回答するまでに時間がかかってしまう。

・相手の話が長かったり、多少なりとも複雑だったりすると、それが頭に入って来なくなる。

などです。

この弱点は、うつとの直接の関係はありません。

しかし、復職後に私が仕事で苦しまないために克服しておくことが重要なことです。

 

あと、対人関係についても苦手意識があります。

この点について話が及ぶと、「嫌な奴がいればどうしようもないからねぇ。」と先生は少し困った様子で、一般的な対処法や自分の体験を話していました。

 

最後にリワーク支援実施同意書にサインをもらい、意見書を書いてもらって、診察は終了。

この後、担当カウンセラーは障害者職業センターに戻りました。

私は診察費と意見書の作成代金を支払い、薬局で薬を受け取ってから、センターに向かいました。

因みに意見書の作成代金は三千円+消費税でしたが、これは後日センターから戻ってきます。

 

障害者職業センターにて

担当カウンセラーに助言の内容はどうだったかと尋ねられ、

「相手の質問に対して回答するまでに時間がかかるという点について、返答パターンを覚えるようにすればよいとの助言がありましたが、期待していたのと少し違いました。というのも、どんな単語を使うべきか、使おうとしている敬語は果たして適切かなどといった細かいことで悩むので、パターン化で対処できるものではない気がします。」

と答えました。さらに、

「ストレスを感じたときの具体的な対処法も伺いたかったですね。」

と付け加えました。

 

診察のときに尋ねれば良かったんですよ。でも、しなかった。

担当カウンセラーが同席しているという点で診察がいつもと異なる状況だったため、緊張していた。

また、診察の時間がいつもよりもずっと長くなっているため、これ以上長引かせるのは待っている他の患者さんに申し訳がないと思ってしまった。

そんなつまらない理由で、私から質問をすることができなかったのです。

変だと思います。変。

 

今回聞けなかったことについては次の受診のときに尋ねるといいですねと、担当カウンセラーに勧められました。

また、コミュニケーションが苦手なのをどう克服していくかについては、本支援をうけていく中で他の被支援者から聞くのも良いでしょうとも言われました。

リワーク支援では、被支援者どうしで話し合う機会もあるそうです。

うつ病に至った経緯を話せば辛いことを思い出すことになると思いますが、大丈夫ですか?」

「憎しみを呼び起こされるので、辛いですね。」

憎しみというのは、私をうつ病に追い込んだ同僚に対するものです。

 

憎しみや怒りというものは、少し考え方を変えるだけで別の感情に転換することができるそうで、その方法(アンガーコントロール)についての講習もリワーク内で開かれるということです。

 

宿題

一旦席を外した後、担当カウンセラーが本を4冊持ってきました。

表紙には「発達障害」や「大人のADHD」、「アスペルガー症候群」といった文字が見えます。

前回の相談のとき、自分には発達障害があるのではないかと懸念を伝えていました。

また、これまでの私の言動を観察した上で感じることがあったのだと思います。

「これらの本を読んで、自分に当てはまると思ったキーワード(症状や特徴)を書き出してみてください。できれば、エピソードも書いてみてください。」

今回は、「大人のADHD」と「アスペルガー症候群」の2冊を借りることにしました。

 

終わりに

今回は、事前相談(2回目) の様子を書きました。

これからリワーク支援を受けられる方、または受けることを検討されている方にとって少しでも参考になれば幸いです。

中身や雰囲気をうまく伝えられるようにしていきたいと思っています。

 

宿題で書いた内容ですが、別の機会にお話しします。


それでは、みなさま、ごきげんよう

 

事前相談の第1回目の様子はこちら...

fukushoku.hateblo.jp

 

復職を目指す鬱男の回想録 第1回「前夜」

広大な敷地、五千人規模の社屋が常駐先。生まれ育った故郷にある優良企業。
そこで請負会社の社員として働いていた。
顧客の中には口うるさい人、しょっちゅう怒鳴る人、仕事以外では口をきいてくれない人もいたが、多くは気さくで、いつでも相談にのってくれる。
各フロアには建物の構造を支える壁以外に視界を遮るものはなく、離れた人とでも身振り手振りで意思疎通ができるような環境だった。
最上階には360度景色を眺めることができる社員食堂があり、昼休みには安くて飽きることのない豊富なメニューを楽しむことができた。
そこで働く同僚は数十人。
そのうちの何人かとは酒を飲みながら仕事の愚痴、上司や顧客の悪口を言い合う仲だった。

 

2014年10月のある日の午後、仕事中には滅多に使用しない携帯電話の呼び出し音が突然鳴り出した。画面にはその日自社のオフィスに戻っている上司Aの名前が表示されている。
特別な事情の電話。
通常の業務連絡であれば、各請負会社のブースに置かれた固定電話にかけてくるはずだ。
血の気が引いていく。
常駐している社員を一人、年内に他のチームに異動させる、そんな話が半年ほど前の自社の社内会議であったばかりだった。
当時、目標ギリギリのところにあった常駐チームの原価率をもっと抑えたいというのが理由だ。
断りたい。しかし…
携帯電話の画面を眺めながら悩む。
3コール目が鳴り、4コール目が鳴り、5コール目、覚悟を決めきれないまま電話に出た。
「お疲れ。○○さん。突然で悪いんだけど、P県に行けるかな? 今日中に決めてほしいんだけど。」
今日中。残り2時間余り。
仕事を進めながらでは差し障りなく断れるだけの理由を見つけられそうにない。
準備をしておくべきだった。
「少し時間を頂けますか? こちらから掛け直します。」
誰もいないミーティングスペースに小走りで移動し、妻に電話を掛けた。
相談するつもりだったが、結論は既に出ている。
1か月ほど前に転勤を拒否して辞めた同僚がいた。
「たった今P県に転勤できるかと尋ねられた。たぶん断ることはできない。単身赴任で行くと伝えておく。」
一戸建ての家を手放すつもりはない。年老いた両親もいる。
上司Aに電話をかけ、転勤が可能であること、そして単身で赴任することを伝えた。
「いつからですか?」
「来年の1月から。」

 

上司Aから転勤を要請されるのは2度目。
1度目のときは上司A共々D県を管轄するグループとは違う部署に在籍しており、その転勤により幸運にもD県に戻ることができた。
その6年後、AもD県に異動してきた。
そして今回の転勤。
かつて、Aからはボーナス時季の査定で良い評価を得たことはなかった。
そんなにも厄介者扱いするのか…

 

12月になり間もなく忘年会兼送別会が開かれた。
1人を除けばいつも通りの単なる忘年会。来年も同じ場所で同じ仕事をやっていく。
宴の中盤に差し掛かったところで席を立ち、望みは薄いと分かっていながらも上司の前に座って言った。
「またD県に戻って仕事がしたいです。」
上司Aが答える。
「次の職場では、ここのメンバーが持っていない技術を習得してきてね。戻ってきたら、その技術を活かせる新たな顧客を開拓しよう。」
見え透いた台詞。

 

転勤要請の数日後に、異動先の仕事が自動車開発の請負業務であることを聞いていた。
その一方で、地元のD県やその周囲で自動車開発を行なっている企業はない。
仮に開発の仕事を請け負って自社オフィスで作業できたとしても、仕様や設計、試験結果に関するミーティング等、顧客のところに足を運び対面で話し合わなければならないことは頻繁にある。
だとするなら、どんなに近い自動車メーカーの開発拠点に行くにも片道4時間以上かかるD県に自動車開発で得た技術を活かせるような仕事を引っ張ってくることなどあり得ない。

 

年の瀬の仕事納めの日、D県に戻りたい旨をもう一度伝えて職場を後にした。

 

…続く

精神疾患で休職中にかかる医療費を節約する方法

みなさん、ご機嫌いかがですか? うつ病療養中のるしふぇりんです。

 

病気や怪我で休職しているときは、当然のことながら残業代や種々の手当がありません。また、傷病手当金の支給額は概ね標準報酬月額の3分の2です。つまり、月々の収入が激減するのです。(傷病手当金の詳細、および計算方法については、下記リンク先を参照してください。)

syoubyouteate.info

 

その上、定期的な通院により、医療費がかさんでいきますよね。

 

これから休職する方の中にも、これらのことで不安を抱えている方がいらっしゃることかと思います。

 

今回は、うつ病など精神疾患の治療を受けている方々が医療費の負担を抑えられる方法をご紹介します。

 

自立支援医療制度

 

この制度を利用すると、医療費の自己負担が1割に軽減されるんです。

さらに、利用者の世帯の所得状況に応じて、1か月あたりの負担上限額が設定されることもあります。

 

ここで一つ注意してほしいことがあります。

自立支援医療(精神通院医療)制度は、通院による治療を受けている方のみが対象であるということです。入院治療を受けている方は対象外なのです。

 

申請手続きは?

まず、お住まいの市町村の役所から「自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書」の用紙をもらってください。

また、併せて課税証明書等の世帯全員の所得状況を確認できる書類ももらっておいてください。¥300くらいです。

 

次に、掛かりつけの医療機関から主治医の意見書をもらってください。

あと、保険証の写しも必要です。

 

これらの書類をまとめて市町村の役所に提出します。提出の際にはマイナンバーの提示を求められると思うので、マイナンバーカード、または通知カードを持参する必要があります。

 

実際に手続きをされる場合には、あらかじめお住いの都道府県、または市町村のホームページで詳細をご確認ください。

ちなみに、埼玉県では次のように案内しています。

自立支援医療制度(精神通院医療)について - 埼玉県

 

この制度利用の準備をする前に、掛かりつけの医療機関に相談することをお奨めします。医療機関が申請の手伝いをしてくれることがあるからです。

 

申請後は?

申請が認められると、「障害者自立支援医療費受給者証(精神通院)」が発行されます。私は、掛かりつけの医療機関で受け取りました。

発行されると、申請日より後の医療費の自己負担が1割になります。つまり、申請日から発行日までの自己負担の3分の2が戻ってくるわけです。返戻にあわせて、その期間の領収証が新たに発行されます。

 

有効期間は?

有効期間は1年間です。

有効期間は、障害者自立支援医療費受給者証に記載されています。

引き続き制度を利用したい場合は、期間満了日の3か月前から申請することができます。

申請可能な時期が来たら、掛かりつけの医療機関から再申請についてのお話があると思います。もし期間満了日の2か月前になっても医療機関からお話がない場合は、自ら尋ねてみるのが良いと思います。

 

医療費にかかる経済的な負担のことはできるだけ気にすることなく、休養とその後の復職の準備に専念したいですね!

 

それでは、みなさん、ごきげんよう

全科目免除により無線従事者免許を取得する方法

みなさん、ご機嫌いかがですか? うつ病療養中のるしふぇりんです。

 

今回の話は、うつ病とは関係ありません。

療養中に受験した無線従事者試験についての話です。

 

今年(2017年)の1月と3月に無線従事者の試験を受け、ともに合格しました。

 1月 ・・・ 第1級陸上無線技術士

 3月 ・・・ 第3級海上無線通信士

 

現在、その2つの資格をもとに、「全科目免除による合格証明」を利用して第1級海上無線通信士の免許を取得するための手続きを進めているところです。

この手順が多少分かり辛かったので、まとめてみました。

 

尚、「全科目免除による合格証明」がどういうものかについては、公益財団法人 日本無線協会:電波と無線従事者のQ5をご覧ください。

 

また、どの無線従事者資格を有するときにどの科目が免除されるのかについては、公益財団法人 日本無線協会:電波と無線従事者のQ4(4)の「無線従事者に関する資料 表7」の部分をクリックしてみてください。

 

手続きにかかる費用や時間についても、下のほうに書いています。

 

目次

 

手順

次の前提のもとに手続きを進めるための手順です。

<前提>

・第1級陸上無線技術士免許 交付済み

・第3級海上無線通信士試験 合格

 

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①第3級海上無線通信士の免許申請

総務省 電波利用ホームページ | 無線従事者免許申請書の様式(ダウンロード)からダウンロードした申請書を作成して、総務省 電波利用ホームページ | 申請書の提出先、Q&Aに提出します。

 

②合格証明願用紙の送付依頼

「合格証明願用紙及び添付書類用紙を送付願います。該当資格は一海通です。」と便箋に記載して、郵送しました。

 

公益財団法人 日本無線協会:電波と無線従事者のQ5には、次の1文がありますが、返信封筒は特に必要ないようです。

「合格証明願用紙及び添付書類用紙が必要になりますので、該当資格名を明記の上、82円の切手を貼った返信用封筒を同封して当協会の事務所にご請求ください。」

私はこれに従い返信用封筒を同封したのですが、別の(日本無線協会〇〇支部オリジナルの)封筒で郵送されてきました。同封した封筒が小さかったからかも知れません。

 

尚、①と②は順番が前後してもかまいません

 

送付依頼先は、公益財団法人 日本無線協会

 

③合格証明願の送付

「全科目免除による合格証明願」の用紙に第3級海上無線通信士の免許証の番号を記載する必要があるので、①の申請による免許証が届いた後に行います

 

日本無線協会の内部での処理なんだし、3海通試験の合格という事実も明白なんだから、免許証なくても合格証明書を出してくれてもいいじゃないか!」と思いました。

しかし、「一定の無線従事者の資格を有する者」に対して免除すると無線従事者規則の第8条第1項に規定されているので、仕方ないですね。免許が交付されて初めて「資格を有する者」になれるので。

 

送付先は日本無線協会の本部と支部のどちらでも構いません。

支部に送付した場合でも、合格証明書は本部から送られてくるとのこと。(手続きのことで支部に確認したら、そう言われました。)

 

④第1級海上無線通信士の免許申請

①と同じです。

 

書類

「②合格証明願用紙の送付依頼」をすると、次の書類が届きます。

・全科目免除による合格証明願

f:id:luCifEriN:20170415125919j:plain

 

用紙の下に記載してある注意書きに従って記入します。

 

・受験整理票(右側の小さい紙)

f:id:luCifEriN:20170415130247j:plain

 

画像の左側にある紙の2に、「『受験整理票』には、写真を貼り、氏名(フリガナ)及び写真の撮影年月をボールペンまたは万年筆で記入してください。」とあるので、生年月日は記入しません

 

・合格証明書

f:id:luCifEriN:20170512192751j:plain

 

A4版の紙です。

格通知票のようなものが届くものと思っていましたが、違いました。

合格証明の日(合格の日)と証明番号(受験番号)が記載されていますので、これらを無線従事者免許申請書に書いて申請します。

 

費用と時間

①第3級海上無線通信士の免許申請

 手数料(収入印紙) ¥1,750

 申請書郵送

  基本料金     ¥   82

  簡易書留     ¥  310

 免許交付

  基本料金     ¥   82

  簡易書留     ¥  310

  小計       ¥2,534

 

地域によって掛かる時間は異なります。

私の場合、申請書を出してから16日目に届きました。

 

②合格証明願用紙の送付依頼

  依頼書郵送      ¥ 82

  合格証明願用紙の郵送 ¥ 82

  小計         ¥164

 

1週間くらい。私の場合、4日で届きました。

 

合格証明願の送付

 依頼書郵送      ¥ 82

 合格証明願用紙の郵送 ¥ 82

 小計         ¥164

 

合格証明書は合格証明願の送付日から14日目に届きました。

ゴールデンウイークを挟まなければ、もっと早く届いたのかも知れません。

 

④第1級海上無線通信士の免許申請

 ①と同じ ¥2,534

 

約1か月かかります。 

 

合計額 ¥5,396。

別途、免許証用の写真代、封筒代が必要です。

時間は合計で〇〇日かかりました。

(届いたら、更新します。)

 

因みに、第1級海上無線通信士の受験料は第3級よりも¥6,600高いので、今回ご紹介した手順を踏むほうが第1級海上無線通信士を受験した場合と比べて、¥3,738だけ安く済みます!

「無線従事者国家試験問題解答集 海上無線通信士」(情報通信振興会)の値段くらい節約できますね。

 

それでは、みなさま、ごきげんよう